飲食店において、お客さんがお店選びで大事にしているポイント。
それは色々な要素がありますが、シンプルに「メニュー(食べ物)がおいしそうに見えるかどうか」というのも重要なところだと考えています。
オーナーがこだわりの食材を選んで、何年も磨いてきた自慢の腕で調理をする。
それらを選りすぐった食器に盛り付けて、さあ撮影!
ですが、いくら最高においしいお料理でも撮影方法と間違えると、なんだかイマイチおいしそうに見えないことってありませんか?
お客さんに来店してもらうためには、お料理がおいしいことも大事ですが、それ以上においし「そう」に見えることはもっと大切です。
なぜなら、特に初見のお客さんは、お店のお料理がおいしいかどうかは知り得ません。
では、何を決め手にするかというと、(もちろん店内の雰囲気や価格などもありますが)お料理がおいし「そう」に見えるかどうか、というのもポイントになってくるんですね。
メニュー撮影については、できればプロカメラマンに依頼するのが安心ですが、ご自身で撮影しなければならない方も中にはいらっしゃると思います。
そんな時に、お料理がおいしそうに見えるための撮影のコツについて今日はお伝えしていきます。
一眼レフカメラだけではなく、スマホのカメラでも通ずるノウハウですので、カメラをお持ちでない方もご覧いただければ幸いです。
①お料理をアップめで撮影し、奥行き感を出す
まずは、お料理を引きではなく寄り(アップ)で撮影をしてみましょう。
なぜならアップで撮影することで、被写体(この場合はお料理)の背景がボケて、結果的にお料理が際立つように写るからです。
もし、中途半端な距離感で撮影をすると、特にスマホの場合は全ての背景がくっきり写ってしまい、お料理のほかにいらないものが映り込んでしまいます。
また、色々なものがハッキリと映り込むので、「何を主張したいのかがはっきりしない絵」になってしまうからです。
また、「低めの位置から撮影」することで、より写真に奥行き感が生まれ、お料理が強調された絵に仕上がります。
②自然光を使っておいしさをさらに引き立てる
前項でお伝えしたアップで撮影する際に、もう一つ重要なポイントがあります。
それは、「自然光(お日様の光)を適度に利用して撮影する」ということ。
光にも色々な種類がありますが、窓から擦り注ぐ自然光が特にお料理のおいしさを引き立ててくれます。
よって、お料理の写真撮影をする際は、窓際のテーブルで撮影できるといいでしょう。
また、少し「逆光」で撮影すると、お料理に程よく陰影がついておいしさが引き立ちます。
(逆光撮影とは、太陽と自分が向かい合う状態でお料理を撮影する状態)
「少し」逆光にする意図は、完全に太陽と向かい合う状態から少し位置をずらすと、料理の一部は光に照らされて、一部は影がつくような表情に撮影ができるんですね。
これがおいしさ演出に一役買ってくれるということなんです。
③お料理を全部ではなく「一部だけ」載せてみる
「アップめで逆光気味で撮影」で、そこそこきれいなお料理写真が撮影できます。
表現手段の引き出しの一つとして、「お料理の一部だけ撮影する」という見せ方も有効です。
言い換えれば、お料理を真ん中に置いて撮るのではなく、左右のどちらかに寄せて撮るとも言えます。
このように撮影することで、被写体がど真ん中にある写真よりもほどよく品のある雰囲気に仕上げることができるのです。
(↑中心に被写体を持ってくるのも悪くはありませんが、少し左右に移動させた方が、さりげなさが演出できる)
④お料理を真上から撮影してみる
一方、お料理を「真上から撮影する」という方法は、料理のセットメニューやコース全体をお客さんに伝えたい際などに有効です。
最近では、インスタグラムなどでこういった見せ方をする方が少なくありません。
この撮影で気をつけるポイントは、お料理の配置と、それらを置くテーブル。
まず、セットメニューなどを配置する場合が、そのセットがきれいに見えるような配置が必要になります。
配置のバランスがイマイチだと、ガチャガチャして見えてしまう可能性がありますので、注意が必要です。
また、お料理を置いている「テーブルの雰囲気」が写真の雰囲気をダイレクトに左右するのもポイント。
お料理の雰囲気にマッチしたテーブルに置くことで、統一感を演出できます。
それと、この撮影する際は、室内の蛍光灯は消して自然光を使って撮影がおすすめです。
なぜなら、部屋の明かりをつけっぱなしにすることで、撮影している自分の影がお料理にカブッてしまう可能性があるからです。
おいしそうな写真は論理的に撮れます!
今回は、飲食店の方のために「おいしそうに撮影するコツ」を4点ご紹介させていただきました。
最初は慣れないかもしれませんが、おいしそうに見える写真は論理的に撮影ができます。
餅は餅屋ということで、撮影はプロにお任せするのが一番手堅いですが、ご自身で撮影をされる際は、今回のチェックポイントをぜひチャレンジしていただければ幸いです。
それでは、今日もお読みいただきありがとうございます。