動画の時代とは言うけれど、ヘタに動画を作っても効果が出ない理由
2021.6.8 写真や動画の上手な活用法

動画の時代とは言うけれど、ヘタに動画を作っても効果が出ない理由

現在は「動画の時代」なんて言われていまして、YouTubeを始めたり、プロモーションムービーを制作する企業・個人が増えました。(あくまで肌感覚ですが)

昨今の感染症の影響を受けたこと、5G時代だから、など色々言われていますが、動画はシンプルに多くの情報が伝わりやすいという利点があります。

自分たちで制作、もしくは制作会社や個人クリエイターに依頼して動画制作する流れが増えてきましたが、個人的には、

「動画ってそんなに見られないよ」

とも思っています。

 

動画制作しているヤツがそんなこと言っていいのか。

 

なんて感じるかもしれませんが、コレはコレで自分の本音です。

もちろん、自分は動画が大好きですし、制作する動画は見てもらうために工夫をこらして制作しています。

 

とは言うものの、いくら素敵な動画を作っても、それだけではなかなか人に見てもらうにはむずかしいというのも事実。

はたまた、見てもらったけど「ふーん…」という感想で終わってしまったり、開始10秒くらいで離脱されてしまったり。

 

動画制作は多くのお金と時間がかかります。

もちろん、(どこに依頼するかにもよりますが)数万円程度でできるようなものではありません。コンテンツ制作に多くの投資ができない企業や個人も少なくないでしょう。

 

今回は、動画制作を自分たち、もしくは外部に依頼する時に必ず考えておきたいことについて、私の意見をお伝えしたいと思います。

 

 

こんな人の意見です

実績がないのにエラそうなことを言っても伝わらないということもあるので、気乗りしませんが(汗)自分の経験を載せておきます。

・2年ほどYouTuber活動経歴あり(登録者15,000人超、動画約200本、総再生回数200万回超、動画制作チャンネルではなく別業種)

・専門ブログ運営経験(月間20,000〜25,000pV程度、こちらも別ジャンル)

・現在は、企業や個人事業主のPV制作をお仕事として受けています

弱小ですが、コツコツコンテンツ制作しながら失敗を繰り返して、このくらいの規模感でサイトを育てた経験があります。

 

こんな人の、あくまで「イチ意見」として鵜呑みにせず参考程度にお読みいただけたらと思います。

 

 

そもそも動画に即効性はない

これは、どんな動画を制作するかにもよりますが、動画を作ってすぐに売り上げがグンと上がった、なんてことはそうそうないと思います。

動画制作者として、ある意味「ウチの制作する動画は、すぐに売り上げは上がりません」ということを言っているようなものですが、コレも自分の正直な意見であります。

木の芽が大木になるには3日では足りませんから、そういうことだと思っています。

とらやの羊羹もappleのスマホも、3日で有名になれたわけではありません。

個人的に、動画は「即効性というよりも、じわじわとゆっくり自社や個人の価値を伝えていくツール」だと位置付けています。

 

テレビCMのような動画を作って、広告費をバンバンかければ短期的な売り上げは立つかもしれませんが、誰もがそれをできるわけではありません。

動画一本で一発逆転を狙っているのであれば、それは動画に願いを込めすぎなのかなと感じます。

動画は魔法ではなく、たくさんあるツールの一つに過ぎないし、それ以上でもそれ以下でもないのかなと。

様々な伝えるツールがあり、それぞれに役割や得意分野があるので、動画を作ったからオールオーケーなんてことはありません。

 

 

そもそもなぜ動画を作るのか?動画がベストなのか?

動画を制作したいとなった時に、一度

「それは動画で伝えるのがベストなのか」

ということを考えてみてはいかがでしょうか。

動画制作は流行っていますが、決して万能なツールではありません。

動画の最大のハードルは、「見てもらうためのハードルが非常に高い」ということ。

自社のこだわりがいくら素晴らしいからといって、それを動画にしたら見てもらえるかというと、そんなことはまずないと思います。

大前提として、人は興味はないモノは見ませんし、何しろ動画や文字媒体は見るのに非常に時間がかかります。

興味があったとしても、内容次第では長時間は割いてはもらえないでしょう。

 

例えば、動画ではなく静止画で訴求するというのも一つの手です。

静止画は、多くの情報は伝わらない代わりに、(上手く作ればの話ですが)一発で特定の情報を伝える力があります。それに、動画のように人の時間を割きません。

写真プラス最小限の文字で伝えるのもいいかもしれませんし、インフォグラフィックなどを使うのも有効かもしれないでしょう。

(↑ こんなインフォグラフィックは、一発で情報が伝わる、しかもキャッチーに。これをわざわざ動画にする必要もない)

動画なのか、文字なのか、静止画なのか、グラフィックなのか、はたまた文章や音声なのか。

自分たちが誰に何を伝えたいのか、という起点から、じゃあ、それを伝えるためにはどのツールがいいのか、ということを考えていく。

それが、間違いのないツールの選び方だと思います。

言い換えれば、動画じゃない方がいいこともある、ということです。

 

 

静止画に比べ目を止めにくい

動画で発信して感じることは、まず静止画に比べると見られにくいという側面があります。

YouTubeのような動画投稿サイトであればまだしも、例えば会社・個人のSNSに動画を貼っても、見られずにスルーされてしまうことが多い、というのを肌感覚で実感しています。

いいね数のみで計測するのも微妙ですが、SNS上では静止画での投稿よりも動画投稿の方がいいね数は少ない傾向もあります。

再生数が表示されるSNSもありますが、たくさんシェアされない限りは思ったほど再生数が伸びないでしょう。

 

なぜなら、動画は静止画のように瞬時に何かがわからない、言い換えれば時間をかけて見ないと内容がわからないから、だと分析しています。

自分含め、現代人はSNSをハイスピードで流し見する方が多いように見受けられます。

それに加えて、見切りをつけるのが早いようにも感じます。(動画がつまらないと思うと、開始数秒で離脱されることもザラです)

 

なので、

動画を制作する→SNSにアップする

のみでは、見てくれる人はそうとう限られてしまうこということ。

で、SNSはフィード型なので、数日経てば動画もトップに出てくることはなく、そこから再生数が伸びることもないでしょう。(これは動画というよりもSNSの性質なので仕方ありません)

自社のホームページに動画を貼ったとしても、そもそもアクセス数が少なければ「動画を見る」というアクションをする方は、わずかだと思います。

もちろん、フォロワー数が多くいらっしゃるのであれば話は別ですが、企業アカウントで多くのフォロワーがいる会社はそう多くありません。

作る→アップする、だけでは、どう考えても不十分ということが言えるでしょう。

 

 

見るのに時間がかかる

先述したとおり、動画はとにかく見るのに時間を要するため、そうとうな興味がない限りはわざわざ見ようとは思いません。

制作した動画を最後まで見てくれるのは、その企業や個人のディープなファンくらいでしょう。(もちろん、ディープな方向けの動画なら全く問題はありません)

これは、ユーチューバーをやっていた時に感じたことですが、まあ、思った以上に動画は見られません(泣)だって、動画がそもそも既に世に溢れていますし、誰も自分のことを知りませんから当然です。

(ちなみに、YouTubeやvimeoなど動画投稿サイトは、動画の平均試聴時間などがツールでわかります)

 

製作側も、見ていて飽きないような動画を作る必要がありますし、依頼側も「どうしたら制作した動画を見てもらえるか」の具体的な導線作りが必要です。

良いものを作ったイコール多くの方に見てもらえるというわけでないのです。

 

 

伝えたいことが多すぎ問題

企業PVなどでありがちなのですが、伝えたいことがありすぎて5分や10分の長尺の動画を作ってしまうということ。(それ自体がいけないということではありません、正解なこともあります)

ただ、自分の肌感覚(極めて主観的ですが)で言うと、そこまで長い動画はおそらく最後まで再生してもらえないと思います。

 

伝えたいことが多いのは自分も痛いくらい共感できるのですが、残念ながら人は他人のことにさほど興味はありませんし、全部を聞いてくれる時間や余裕はありません。

 

なので、全てを一つのツールに全部のせするよりも、

「今回の動画はコレに的を絞って伝えよう!」

「こっちは動画じゃなくて、写真の方がいいかもしれない」

と、伝えたいことに応じて媒体を変えていく、もしくは全部のせしない。

 

多くの方に見てもらうためには、見てくださる方のことを考えることが必要です。

 

 

制作した動画を多くの人に見てもらうための導線は?

素敵な動画を作れば、多くの方に見てもらえる。

ある意味では正解かもしれませんが、ある意味ハズレです。

例えば、オンライン上に掲載するなら、そもそも自社ホームページにそれなりのアクセス数がないと動画まで見てもらえることはありません。(肌感覚ですが、ホームページ閲覧数の2割も動画まで見てくれていないと思います)

SNSで広めたいのであれば、応援してくださるファンの方(フォロワー数)が必要です。

ホームページアクセスもフォロワーも少ないのであれば、広告費がいります。

 

なので、そもそもその企業・個人に「コンテンツを見てもらうための土壌作り」がなされていなければ、数十万、数百万円とかけて動画を制作しても、投資という意味では微妙なことになってしまうこということ。

 

ある程度の数の方に見てもらいたい場合、そもそもの土壌作りができているのか。

一旦考えてみる必要がありそうです。

 

ちなみに、自分がYouTubeをやっていた時は、もちろん無名で誰も自分の動画なんか見てくれません。(当たり前です)

そこでやったことは、「コツコツと自分の専門分野のお役立ち情報や、自分の考えを発信する」(週3、4回は動画を作ってアップしていました)

これを何ヶ月も何年も繰り返していると、少しずつ自分のことを応援してくださる方が増えていきます。

 

逆説的に考えると、どれだけ普段からコツコツ、リアルの場、またオンラインで発信できているかが大事になるのです。

 

 

何のために動画を作るのか、今一度俯瞰してみる

 

長々と、自分の考えを述べてきましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。

様々な考え方があると思いますし、指南的なブログを書くのも最近は好きではないのですが、それでも動画の素晴らしさを伝えたいという思いで、書いてみました。

動画について負の側面も多く書きましたが、ツールは使いよう次第です。

 

•そもそも伝えたいことは何なのか

•それは動画で伝えるのがベストなのか

•動画のメリットとデメリットを理解しているか

•内容を詰め込みすぎていないか

動画が視聴されるための土壌作りはできているか

 

これらのことを一度棚卸しして考えてみてはいかがでしょうか。

 

月並みですが、動画を通して人の幸せに貢献できることをモチベーションに、これからも動画を制作していきたいと感じています。

当フィルムは、即売上が上がるような動画は作れませんが(汗)、その商品、サービスの価値をじんわりと高めていく動画は得意としています。

お気軽にご相談ください。

SHARE

Latest posts

Popular posts

Category