僕ら人間は、何かを伝えようとする時真っ先に使うのは「言葉」です。
なぜなら、今すぐに声を発せれば人に伝えることができるから。
言葉があるからこそ、人間はコミュニケーションすることができ、今の世の中ができたのだと思います。
ただ、言葉は厄介な面も持ち合わせています。
自分が思った通りに伝わらなかったり、誤解されたり、はたまた押し付けがましかったりしてしまう時もある。
言葉は、人を感動させる物でもあり、傷つけるものでもある。
何でも、光と陰があるように言葉にもそんな側面があるのです。
昨今のSNSなどでのいざこざも、言葉、そして思想の押し付け合いが原因なのではないでしょうか。
一方、映画だったり、音楽だったり、動画、写真、絵画などは、ハッキリ「こういうものである」という伝え方はしません。
もちろん、製作者の意図や思いはあるでしょうが、どう感じるかはある程度受け手に委ねられています。
もしかしたら、作者が伝えたいことがハッキリとは伝わらないかもしれませんが、考えようによってはそれでもいいんじゃないかと考えています。
ネットやSNSを駆使して、個人が活躍できるようになった今の時代。
素晴らしいことではありますが、日々「俺はこう考えている」「いや、これはダメであれがいい」という「言葉による発信」を見ていると、疲れてしまうことがあります。
もちろん、議論したり、主張することも大事ではあるんだけど、結局のところ誰かのことを下げて自分が上だと主張するものも少なくありません。
動画や写真、音楽など、作品性のあるものは、押し付けようとしません。
それを見て、個々人が「これはこうなんじゃないか」が自分で考えること。
これがこれからの時代、さらに大切なのではないかと感じます。
自分が制作させていただいている動画も、依頼者の方の思いを汲みつつも、それを見て色々なことを考えるようなものを作りたい。
そう感じるこの頃です。